定点観察/68 リーダーシップは本質的に人間の行動に影響を及ぼすスキルだ。 そして、リーダーが目指すべきゴールとして人々の心に入り込み、 不可能を可能にした偉人の例を挙げるとすると、祖国の危機を救うために フランス国民を奮起させたジャンヌ・ダルクや大英帝国の危機の際に 英国民を結束させたウィンストン・チャーチルなどが挙げられる。 同時にリーダーには科学的アプローチも非常に大事だ。 それは、問題は何かを特定し、その構造を解明し、 解答を導き出すための分析力ともいえる。科学的アプローチは 研究所の技術者のためだけにあるのではない。 科学的アプローチを利用することで、誰でも優れた問題解決が行なえる。 この指摘はアインシュタインが話した、次の言葉を思い起こさせる。 「私は地球を救うために1時間の時間を 与えられたとしたら、59分を問題の定義に使い、1分を解決策の策定に 使うだろう」。問題を解決するために最も大事なのは その性質や構造を把握することであり、それができれば解決策は おのずと見つかるとアインシュタインは言っているのだ。 日本人は問題が提示されると、その問題設定自体を疑うことなく、 どこかに正解があると信じてアクションを起こす傾向が強い。 どこかに既成の解決策があると思いこむ前に 自分で課題について深く観察し、分析することが重要だ。 それは健全な懐疑主義といってもいいだろう。 ビジネスでも、緊急時には大勢の意見を聞いている時間はない。 しかし、そうした状況のもと、経験則に安易に頼ると、 大きな失敗につながることがある。非常時でもリーダーは正しい判断を 自ら下せなければならない。そのために日頃から、 健全な懐疑主義をもつことが重要になるのだ。 [159日目] [160日目]
by tomhana0907
| 2014-02-19 04:06
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