定点観察/80 ◎江戸時代の謎:15◎ 江戸の町では文化・文政期と嘉永・安政期の2度に渡って 「変化朝顔」ブームが起こった。変化朝顔とは花や葉の形に関わる 遺伝子が壊れて突然変異が起こった朝顔のこと。 第1次ブームで見られる花や葉の形、模様の違いは突然変異が 単発で起こった状態のため比較的単純だが、第2次ブーム期では より複雑で奇異な形の様々な朝顔が鑑賞された。 これは既に変異が起こった花の間で交雑が起こったものと考えられている。 しかし、江戸時代にはおしべめしべの仕組みは明らかになっておらず、 交雑についての記録も残っていない。それにもかかわらず様々な種類の 変化朝顔が作られたということは江戸の人達が観察と経験によって、 交雑の仕組みを見つけ、人為的に交雑しやすい状況を作っていたのでは ないかと推測される。これは朝顔に限らず、菊や花菖蒲など 他の植物でも同じこと。江戸の人々の園芸に対する探究心のおかげで、 私達は今、様々な花を楽しめるのだ。 [181日目] [182日目]
by tomhana0907
| 2014-04-07 05:10
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