走馬灯のように/40 ◎心に残る小さな小さな物語/3◎ 今日はあの日から10年の記念日。あの日、彼は朝食の後、 トイレに行かせてくれなくて、私は彼を容赦なく叩いたり、 金切り声を上げたりした。でもその瞬間は過食症と 積極的に向き合える分岐点でもあった。 私はその日、彼に人生を救ってもらったんだと思う。 今朝7時、調子が悪くて目が覚めたけど、金がなかったので仕事に行った。 午後3時、クビになった。帰る途中で車がパンクした。 スペアタイヤに取り替えようと思ったらそれもパンクしてた。 BMWに乗った男が通り掛かって私を乗せてくれた。 彼といろいろおしゃべりしてたら、彼が仕事をくれることになった。 また明日が始まる。 今日、私の働くコーヒーショップに2人の同性愛の男性が 手をつないで入ってきた。お察しの通り、私は一瞬躊躇してしまった。 私のすぐそばにいた小さな女の子が母親に「あの人たちは どうして手をつないでいるの?」と尋ねた。すると、その母親は 「彼らはお互いに愛し合っているのよ」と答えた。 今日、葬儀の後、人影のない実家に戻った。私が育った家。 ここで培われた全ての大切な思い出に畏敬の念を抱いて 家中を見渡していると、両親が20代の時に撮ったコーヒーテーブルにかける 2人の写真を見つけた。写真の裏には父の筆跡で 「この瞬間、我々は無限だ」と記されていた。
by tomhana0907
| 2014-05-05 06:17
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